そろばんおじさんの毎日パチパチ

そろばんおじさんの毎日パチパチ

東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

「叱る」という行為を、大人にとって便利な道具にしてはいけない

ふと自分の書いてきた記事を読み返してみると、どうも「子供は悪くない!子供にだって子供なりの理由や根拠があるんだから、大人は余裕を持って受け止めるべき!!」と捉えられても仕方のないような内容が多いような気がします。

 

いや、たしかにそういった側面はありますし、理解を示せる状況ならば理解してあげることも必要だとは思うのですが、だからといって全部が全部そうではなく、しっかり叱るべきところは叱る、怒るべきところは怒るっていうのも必要ではあると思うんです。

 

かといって、ではどういった場面では叱っていいのか、ダメなのか、叱っていい条件なのかという事を、一緒に考えてみませんか?

 

 

 

【第一問】隠れて禁止しているゲームをしていた。

小中学生ではこういったシチュエーションはあるのではないかと思います。

私も小学校時代、漢字テストで70点を取った時などに禁止されていた覚えがあります。

ポケモンを禁止されたときは、その期間友達と話が合わなくて悔しい思いをいました。

テストでいい点を取れなかったのは私の自己責任なので、それはまあ、仕方ないんですけどね。擁護のしようもありません。

 

さて、ではこの状況で、皆さんはお子さんを叱りますか?

 

 

 

私の考えからすると、きちんとした理由があったうえでの禁止ならば、叱るべきだと思います。

・決められた時間をオーバーして遊んでいた

・しなければいけない勉強や宿題をしていなかった

・その他約束事を破った

こういった状況であれば、悪いのはどう考えても子供ですのでしっかりと叱ることが必要です。

 

ですが、子供に落ち度がない中、保護者側の考えで一方的に禁止したのであれば、その限りではないと考えます。

視力や学力の低下が心配、ゲームの音がうるさい、といった理由で禁止してしまったのであれば、理不尽に楽しみを奪われた不満が残るのは当然です。

大好きなゲームができないうえ、代わりになる娯楽も無いという状況、子供からしたらどう感じるでしょうか。

「その時間で勉強しなさい」

なんていうのはもってのほか。勉強や学習も大事ですが、子供には遊ぶ時間も絶対に必要なのです。

 

 

【第二問】仮病を使って学校を休もうとした。

お恥ずかしい話、私もこれ覚えがあります。勝率はほぼ0でした。

世の母親の子供の嘘を見抜く力は本当にすごいですね。

実際、様々な保護者様に話を聞いてみると、こういった瞬間は結構多いようですね。

そういったタイミングでの対応を聞いてみると、叱る方も叱らない方も大体同じくらいの印象です。これに関してはどちらが正解とも言いにくいですね。

 

ではまた考えてみてください。

皆さんは、こういった場面でどのような対応をしますか?

 

 

 

私ならばおそらく、叱りはしません。

自分の経験上、学校に行きたくない状況ってそれなりに理由があるんですよね。

友だちとのトラブルだったり、前の日に嫌なことがあったりといろいろな理由はありましたが、その日だけは本当に学校に行くことが怖いと感じる日があったように覚えています。

その頃の話を以前まとめた記事がありますので、よろしければご覧ください。

 

t-abacus1120.hatenablog.com

 

中には単純にめんどくさいとか勉強したくない、という理由の場合もあるかと思いますが、こういった場合でも叱るべきではないと思うんです。

根拠を述べるとすれば、体の不調は許されるのに、心の不調は許されないという事に納得がいかないという考え方が根底にあります。

風邪をこじらせて肺炎などに繋がるように、憂鬱な気分をこじらせれば鬱や他の精神疾患に繋がるという事を知っているからです。

無理に学校に行くことを強要してその結果不登校になるくらいなら、一日くらい休ませてもいいんじゃないかというのが私の考えです。

 

 

【第三問】誰かの悪口を言っていた。

事実であれ嘘であれ、他の子の悪口や陰口を言う子供はいつの時代もいます。

自分の子供時代にも、そういった同級生はいましたし、自分自身誰かの悪口を言ったことがないかと言われればそんなことはありません。

 

 

ではそういった場面に遭遇したとき、あなたはどうされますか?

 

 

考えるまでもなく、叱らない選択肢はないでしょう。

たとえ相手の子になにか嫌なことをされたり言われたのだとすれば、たしかにメンタルのケアは必要だと思います。

ですが、そういった言葉を使っている場面に出くわしたのであればまずはしっかりと叱らなければいけません。

先に加害されたのだとしてもそれを同じように加害で返すのはいけないことですし、もし一方的に相手を誹謗中傷するような内容ならなおさらです。

その行為に正当性が無いという事と、その悪意を向けられた側がどういった思いをするか考えなければいけないという事をしっかりと伝え、それがよくないことだと理解させなければいけないのは言うまでもないでしょう。

 

 

 

まとめ

結局今回の記事で何が言いたいのかというと、当たり前にやっている「叱る」という行為について、きちんと考えたことがある人は意外と少ないのではないかという事です。

子供を正しく育てようと思ったならば、倫理観や善悪の区別をしっかりと教える必要があるでしょう。

それは大人からしたら当たり前の事かもしれませんが、子供からすれば教えられなければ理解できるものではありません。

それを伝えようとしたときに、考えることなく頭ごなしに叱りつけたり、根拠を提示せずに行動のみを修正しようとしてもうまくいくことは難しいのではないでしょうか。

今回はわかりやすい例として三つのお題を考えて頂きましたが、これ以外にも様々なタイミングでこれを考えるべき場面は訪れると思います。

思い通りに動くことを望むのではなく、あくまでも今後の子供のためであるという事を念頭に置いて、その時とるべき行動を考えてみてください。

もちろん、子育てにおいて叱ることは必要です。ですが、本来の目的を忘れ、叱るという行為を大人にとって便利な道具にしてはいけません。

取るべき行動をしっかりと判断することも、大人として必要な責任なのではないでしょうか。