そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

こどもの困った行動、その原因と対処法について【part2】

 

t-abacus1120.hatenablog.com

今回はこちらの記事の続きになります。

まだ読んでいない方は是非こちらもご覧ください。

さて、前回は比較的多くのご家庭で一度は経験がある内容だったかと思いますが、今回からは少しずつ、細かい部分にも言及していけたらと思います。

 

 

 

 

【ケース4】誰にでもなんでも喋ってしまう。

・家庭内の情報や、両親が話していた内容を、幼稚園や学校などで先生や友達になんでも話してしまう。

・友達に内緒だと言われた話を、他のクラスメイトに話してしまう。

・見聞きしたり感じたことを、なんでも周りと共有したがる。

お子さんのこういう傾向に悩まされたことはないですか?

私の教室でも、生徒の様子を見ていると時折こういったことがきっかけで生徒同士がトラブルになってしまう事がありますし、それは基本長い目で見ればお互いさまであることがほとんどです。

 

理由「話してはいけない情報であるという実感がない」

よくよくこういったトラブルを起こす生徒を見てみると、「羞恥心」「他人への共感力」が低い傾向が見えてきます。

そして幼少期であれば特にそうですが、情報には共有すべきものとそうでないものがあるという事が理解できていないことが多いです。

相手の「それを人に知られたら恥ずかしい・困る」という思いを理解し共感することができないからこそ、こういった問題に繋がるのではないでしょうか。

また、秘密と言われたことを簡単に他の誰かに伝えてしまう子供に関しては、「秘密の情報」が他人の興味を引くのだと学習してしまっている場合も多いです。

コミュニティや会話の輪の中心にいたかったり、目立ちたがりだったり、なかなか輪に入れずにいたりと、さまざまな原因はあるものの、「秘密の情報」を共有することがその空間に入り込むために非常に有力であるという事実を実感する経験があるのです。

秘密をバラされた場合にどういった影響があるのか、という事を考えたり感じ取る能力を身に着ける前にこういった経験をしてしまうと、なかなか修正が利かなくなるのかもしれません。

 

対処法「される側を想像させる」

「された側の立場を考えられない」

という状況であると判断できるのであれば、対策の第一歩はこれではないでしょうか。

親や近しい大人の立場であれば、その子が抱える人に言われたくない情報を少なからず持っていると思います。

そういった情報を、「○○を誰かに言われたらどう思う?」と聞いてみてください。

ほぼ確実に「やめて!!」という反応が返ってくると思います。

その「やめてほしい」という感覚を実感させ、それを自分が誰かにしていたのだと自覚させることが必要なのだと考えます。

 

ただ、この方法を実践する際に気を付けてほしいことが一点。

「○○のこと言うよ!!」

といったような、脅しかけるような言葉かけは絶対にしてはいけません。

こういった言葉を向けられた子供は、相手の立場を考えるのではなくやめないと嫌なことをされるという恐怖心が先に来てしまい、本質的な部分を修正することができないまま問題がうやむやになってしまうでしょう。

あくまでも、「自分がされたらどう思うか」という事を考えさせることが重要だという事を忘れてはいけません。

 

また、自身の欲求や都合の為に他人の秘密を漏らすことが、如何に卑怯であり浅ましい行為であるかという事もしっかりと教えなければいけないでしょう。

それをすることで得られる楽しさや快感は空しい物であり、友人や人間関係を構築する上でそれらを利用することで、結果として価値のあるそれらを得ることには繋がらないのだと伝えることも重要です。

 

同時に、秘密には理由があり、場合によってはそれが露呈することで不利益に繋がる場合もある、という事も伝える必要があります。

「誰かの秘密」を軽率に誰かに漏らしてしまうという癖は、年齢が上がるにつれて自他ともに深刻な事態に繋がります。

早いうちに修正しなければいけないという事を念頭に、迅速かつ丁寧に対応をするべきでしょう。

 

 

【ケース5】言い訳癖

未就学~小学生くらいにこの癖を放置してしまうと、後々非常に厄介なことになります。

宿題をやらなかったときや、親との約束を破った時などに、(子供にとっては)もっともらしいことを言って叱られるのを回避しようとする。

そういった心理は、おそらく多くの子供たちが一度は通るものだと思います。

ですが、これが常態化することは問題です。

明らかに自分が悪いことを理解しつつも、それを謝ることや反省する前に叱られることを回避するために動いてしまうのは明らかに健全とは言えません。

さて、ではこういった癖がついてしまう子とそうでない子、その違いとはいったい何なのでしょうか?

 

理由「叱り方に潜む問題」

 

t-abacus1120.hatenablog.com

※こちらの記事において、子供の叱り方の是非について書かせていただいております。この項目に関連するものですので、よろしければお読みください。

 

もともとの子供の性格や性質にもよりますが、それ以上に多くの場合において、これが最も大きな要因に繋がっているのではないかと考えます。

子供が悪いことをしたりすべきことをしなかったとき、しっかりと叱ることは大切なことです。

ですが、その時に注意しなければいけないことがあります。

過剰に怒鳴ったり、手を上げたり、必要以上の長時間お説教をしたりしてはいないでしょうか?

または、食事抜きにしたり楽しみを奪うようなペナルティを課したりしてませんか?

こういった叱り方は、時として必要な場合もあるかもしれません。しでかしたことに対応した、された側の痛みを理解させるためのペナルティならば時として有効になることもあるかと思います。

ですが、子供がしてしまったことに対して不釣り合いなほどの叱り方や、謝罪させることが目的になったお説教は、子供にとって時にトラウマを植え付ける結果にしかなりません。

ではこのペナルティの課し方の是非について、三つの例で考えてみましょう。

 

・使ったおもちゃを片付けなかったからおもちゃを取り上げた。

これはどうでしょう?

私の考えとしては、これは間違っていないと考えます。

「おもちゃで遊ぶ」と「おもちゃを片付ける」という行為はセットであるべきで、使ったものを片付けることを教えているにも関わらずそれをしないのであれば、正当なペナルティだと言えるのではないでしょうか。

ですが、そもそも片付けるという事を教えもしていない状態ならば、ペナルティ以前にそちらの指導をしっかりとする必要があるでしょうが。

 

・宿題をしなかったから晩御飯を抜きにした。

そもそもペナルティの為に食事を与えないというのはペナルティではなく虐待であると思うのですが、一例として考えましょう。

とはいえ虐待でない仮定しても、私はこのペナルティの課し方を良しとは思えません。

理由としては、「宿題」と「食事」には何の因果関係もなく、「罰を与える」ということが目的となってしまっているのだと考えるからです。

 

・忘れ物をしたので、日頃感じていた部分も含めて二時間説教した。

はっきり言って、これは叱り方としては下策であると言えます。

この場合、初めは「忘れ物」をしたことに対する注意をするための時間だったはずが、怒りに任せて普段感じていたことを次から次へと当たり散らしているに過ぎず、親の自己満足になってしまっているからです。

一つ一つはその場で注意すればいいことなのに、沢山の事を一気に伝えてしまえば、もちろん子供は理解しきれません。

理解できないお説教は、子供にとって何一つ得るものがない苦痛の時間でしかないのです。

 

この三点で伝えたいことが何かというと、「お説教やペナルティは子供の成長の為に与えるものであり、そのそのものが目的になってはいけない」という事です。

そして、その目的を間違えた叱り方を繰り返すうち、子供は自身の行動を改善することではなく、叱られることを回避することを優先してしまうようになり、その中で一度でも言い訳がうまくいってしまうと、それが常態化してしまうのも不思議ではないのではないかと思います。

 

対処法「感情やその場の都合に左右されず、簡潔に反省を促す叱り方を」

先ほども書いたように、子供に対して一気に多くの事柄について叱ったりしても効果は薄く、逆に不必要なストレスやトラウマを植え付ける結果になります。

 

叱るという行為は、なにか明確に叱らなければいけないことがあって初めて発生するもので、ならばその原因についてをしっかりと正すに留めるべきです。

そして、叱るうえで促すべきは言葉としての謝罪ではなく、しっかりと反省させることです。

強い言葉を浴びせ、恐怖心から「ごめんなさい」と言わせたるのではなく、してしまったことの非を自覚させ、反省させることに全神経を使わなければいけません。

 

言葉は量や強さではなく、質こそが重要です。

怒りが先行して長々とお説教をしたり、逆に時間が足りないからと伝えるべきことを伝えずにとりあえず怒鳴って謝罪させるだけでは、なんの意味もないという事を忘れてはいけないのです。

 

子供の言い訳癖は、親や大人がどのような叱り方をしているかが大きく関係しています。

「叱られる」という事を恐れ、してしまったことを反省する前に言い逃れを考える習慣を身に付けないよう、日頃から叱り方やお説教の仕方には細心の注意を払いましょう。

 

 

まとめ

この記事を書くにあたって、子持ちの知り合い数名にお話を聞いてみました。

やはり、同年代の子供を持つ親の悩みには共通点が多いようで、今回取り上げた二点に関してはほぼ共通の悩みの種だったようです。

子供は一人一人の人格をしっかりとみて、個別に判断する必要があるとは思いますが、多くの方が悩んでいることならば、誰かがうまくいったやり方を様々実践してみるのも時には有効かもしれないですね。

 

実際にこういった問題に直面したとき、解決を急ぐあまりに子供の人格を無視した対応になってしまわないよう注意することを忘れずに、なにが最善かを考えることが、最も重要ではないかという考えで書いた記事でした。

 

今後もこのシリーズは続けていこうかと思いますので、取り上げてほしいテーマなどありましたらコメントやSNSで教えて頂けると嬉しいです。