そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

情けならぬ、「マナーは人の為ならず?」私的見解、マナー・エチケットの本質とは!!

  マナー エチケット

 日々過ごしている中で、定期的に耳にする言葉ですよね?

 現代では、誰しもが他者との関わりを完全に切り離すことはほぼ不可能であり、であれば少なからずその人間関係を円滑に送るために必要不可欠なものだと考えます。

 しかし、昨今テレビやラジオ、インターネット等でみかけるこの「マナー」という言葉の扱いに、少々の違和感を感じることが出てきました。今回はこのマナーというものに対する、私なりの見解をまとめていこうと思います。

 

前提「そもそも、マナーやエチケットとは?」

 このテーマで論じるならば、まず初めにこの二つの言葉に対する私のスタンスをはっきりさせなければならないでしょう。

 私が考えるマナー・エチケットとは、

・対人、またはその場を共有する他者に対し、不快感を抱かせないための所作振る舞い。(エチケット)

・特定の人物や団体に関する配慮に欠ける行いをしないこと。(マナー)

といったことであり、本質的には「気遣い」「礼儀作法」というものではないかと考えています。

 

疑問「そのマナー・エチケットは誰の為?」

 前項で述べたように、私にとってマナーとは他者への気遣いといった考えが根底にあると考えているのですが、冒頭で述べたように昨今メディア等で目にするマナーというものの扱いには、少々の違和感があるのです。

 その違和感の正体が一体どのようなものかを考えてみました。

・順守することが目的になっており、他者への気遣い、思いやりといった考え方を二の次にしている。

 ビジネスや交際におけるマナーやエチケットを紹介するようなコンテンツは多々ありますが、その多くに見られる傾向としてこちらがありました。

 ビジネスであれば、互いに気持ちよく仕事を遂行するために。恋愛や交友といった交際であれば、互いが互いを思いやることでその関係を円滑にすることが目的だと思います。

 しかし、そういった考え方以前に、これを守ることが目的となっており、肝心の相手への気遣いという基本姿勢を度外視してしまっては意味がないのではないでしょうか?

・本来相手に嫌悪感や不快感を与えないためのもののはずが、相対的に周辺人物と比べて自身の評価を向上させるツールとして扱っている。

 こちらは、就職活動の面接マナー紹介などで目にすることがありました。

 挨拶の仕方、ノックの強さ、髪型、返事の声の大きさetcetc…

 それは正解でしょうか?正直これをマナーやエチケットとみなしてしまうのは如何なものかと感じます。これらはあくまで「テクニック」であり、マナーやエチケットとはそれ以前の、もっと根本的な部分を指すものであると感じます。

 そもそも、そういった言葉の線引きが曖昧な紹介の仕方を知るようでは、就職活動に励んでいる若者への気遣いができていない、という意味でマナー違反かもしれませんね。

・「こういうときはこう」といった定型的なことばかりで、肝心の精神的な要素を一切勘定に入れていない。

 正直、私が最も違和感を感じ、一部には憤りをも感じたのはこのタイプです。

「○○と言われたときはこう返しましょう」

「失敗を謝罪するときには90度のお辞儀」

他にも多々見受けられましたが、それらをただ守ることのどこに相手への心遣いや思いやりがあるのか、正直さっぱりわかりません。

 たしかに、TPOをわきまえた振る舞いをするというのは大切なことかとは覆います。しかし、そこに他者への配慮という精神を欠いてしまえばその振る舞いは単に中身のない張りぼてとなってしまいますし、想定外の事態に陥った際にはその振る舞いがいかに中身がないかを露呈してしまうものです。

 そうならないためにも、せっかく整えた体裁ならば中身も伴っていたほうが魅力的ですよね。

 

表題「マナーは人の為ならず!」

 「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、今回のテーマであるマナーやエチケットにも同じことが言えるように思います。人に対して粗雑な振る舞いや配慮に欠ける行動をしていると、いずれはその人も他者からそういった扱いを受けてしまうでしょう。

 逆に、他者に対して配慮・気遣いを欠かさない精神を保ち、丁寧な応対を心掛けることで、相手からもそういった対応をしてもらえる。そうして、健全かつ円滑な人間関係が構築できるのではないでしょうか。(必ずとは言えませんが)

 そう、マナーを守り、心身ともに他者への振る舞いを正すことは、巡り巡って自身へと還ってくるのです。

※情けは人の為ならず、という言葉を、「人に情けをかけることはいずれ自分に返ってくる」という意味で捉えています。合ってますよね?

 

まとめ「本質を見失っては元も子もない」

 ここまで私的見解を述べてきましたが、結局はこれに尽きるのではないかと思います。

 表面上取り繕っただけのマナーやエチケットなどは肝心な時に役に立ちませんし、そこにはなんの価値もありません。

 親しき仲にも礼儀あり、という言葉があるように、友人や恋人、家族といった、どれだけ親しい間柄であろうとこの本質は変わりません。仕事上の人間関係やさほど親しくない間柄であれば、なおの事です。

 皆様も、もし普段の生活の中でこの姿勢を欠いてしまっていると感じましたら、一度見直してみてはいかがでしょうか。人を思いやるということは、思っているよりも悪くないものですよ?

 私も珠算講師として、そして人間として、生徒や保護者方はもちろん日常生活での他者への対応をする際に、その疑問や質問、相談に対して決して雑な対応をせず、相手の立場や状況に寄り添った受け答えをしなければならないと感じます。

 そしてその姿勢を評価してくださる方々に感謝を忘れてはいけないとも。