そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

実は二度手間!?「簡単な言葉」の落とし穴から抜け出した話。

 昨日の記事が初めて50pvを記録することができました!!読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!

 当初は、「一週間で100pv行ったらいいなあ」などと甘えた考えをしていたのですが、予想以上に見てくださる方がおり、さらにTwitterのDMやリプライで応援して下さる方々もいらっしゃいました。本当にうれしく思いますし、その期待に恥じぬ内容をお届けできるよう頑張ろうと思いました!

 

 さて、今回の題材ですが、私がこの仕事を父のもとで始めた頃、できるだけ生徒にわかりやすい言葉を用いて指導するように、と教わりました。そしてその言葉の通り、数年間は、私が知る限りわかりやすい・親しみやすい言葉を使って指導を続けていました。

 ですがある日、ふとした瞬間に疑問が浮かんできたのです。

「この言葉遣い、あとから修正するくらいなら最初に覚えてもらったほうが楽なんじゃないか?」

 今回は、その疑問を出発点に私が考える利点・問題点などを書いていこうと思います。

 

 

1.きっかけ【思い込みへの疑問】

 まず、この疑問を持つ直接のきっかけになったものは何かというと

「桁」

です。

 私の教室では、かけざんは両落としでの指導を基本としております。

 かつてはその指導の際に、積を置く場所を

「2つと1つだから、合わせて3つだね」

「この九九は、が、が付くから1つ小さいところに置くんだよ」

といった調子で指導し、それがわかりやすさ・親切さだと思い込んでいました。

 ですが、ふとした瞬間にその思い込みに疑問を持つきっかけがありました。

 現職で小学校の教諭をされている友人とお酒を飲んだときに、互いの授業に関する話で盛り上がっているなかで、

「こども達は大人が思っているよりも遥かに賢いし、柔軟だ」

という流れになったことで、前述の考えに対して疑問の芽が生まれたのです。

 一度生まれてしまった疑問は、なかなか消えるものではありません。とはいえ、頭で考えているだけでは解決できる問題でないことははっきりとわかっていました。ならばとれる選択肢は一つ。実践しようと決めました。

 幸いにも、その時点で私は一つの教室を任されており、まずはそのときに初歩教材を修了した生徒を対象に、言葉遣いを変えてみることにしました。

 

2.実践【用いる言葉を理解してもらう】

 いざ実際に言葉遣いを変えるとしても、急に知らない言葉で説明されて理解できようはずもありません。なので、まずは該当する生徒に対し、「桁」という言葉の意味を説明する必要があります。

 この時気を付けたのは、ここでの理解が半端な状態になると、後々の指導に悪影響を及ぼすことが目に見えているため、確実な理解を確認するまでは他の指導に移らないという事でした。この段階ではどれだけ時間がかかっても妥協はしません。

 とはいえこの段階では、私が想定していたよりもすんなりと理解してくれましたし、のちに還元算や四捨五入の指導にも同じように言葉の意味を丁寧に解説すると、やはりここでもなんの問題もなく理解してくれる生徒が多く、この段階では特に苦労をした覚えはありません。

 

3.効果【如実な指導効率の向上】

 数名の生徒への指導を上記のように転換し、その他の生徒に関しても少しずつ修正をしていくと、以下のような変化がありました。

・一つの指導にかかる所要時間が短縮できる!

 これは本当にありがたい変化でした。それまでは、同じことを説明するために必要以上に言葉を尽くしてしまい、その間は他の生徒に時間を割くことができないという瞬間も多くありましたが、これにより生徒の渋滞を解消することに成功しました。

・意味を理解すれば指導がシンプルに!

 簡単な言葉を使う、というのは一見、生徒に対して思いやりがあるように感じられるかもしれません。ですが、その実そういった言葉遣いでは根本的に言葉の絶対数が多くなり、低学年の生徒さんはむしろ混乱を生みかねません。

 それに対し、あらかじめ指導に使う言葉の意味を解説し理解させた状態であれば、不必要に言葉を並べることを回避でき、その結果として解説やアドバイスを丁寧に行う時間が生まれたのです。

・ただのイメージではなく、しっかりした知識は忘れない!

 これは当初意図したものではなかったのですが、まず初めの段階でその言葉の意味をしっかりと解説し、理解してもらうことで、新しい技術を学んだ際にも印象が薄れることなく、安定したペースでの学習ができるようになったように感じます。

 

 ほかにも細かい部分で効果を感じるタイミングがありますが、今回は割愛させていただきます。

 

4.結論【毎日の授業、改善点は必ずある!】

 今回は主に、「桁」という言葉に関連して、私が変えてよかったと感じたことを紹介させていただきました。 

 ただ、このような授業の弱点や改善点というものはまだまだあります。そういった点を、少しずつ、しかし確実に消化して、より良い授業、よりよい教室運営を目指していきたいと思います!