そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

おじさん的、「今、珠算界に必要なものはこれだ!!」part.1

※今回はがっつり珠算業界に関するお話ですが、その他の習い事業界にも通じる部分があるのではないかと思いますので、そのような方もよろしければご覧ください。そして、可能であればご意見など頂戴できれば幸いです。

 年度が変わるこの時期、数多くの珠算塾共通の悩みは、生徒の減少だと思います。私の教室でも、数名の生徒が小学校卒業や学習塾への通学の為に教室を退会されていきました。

 毎年の事ですが、こればかりは仕方のないこととはいえ、毎年頭を悩ませる問題です。これは早急に手を打ちたい、打たなければならない。業界としても、これは由々しき問題なのではないでしょうか?

 今回はそういった思いから生まれた一つの提案を、業界を取り巻く問題を基に説明させて頂きたいと思います。

 

 

 

1.珠算業界の二つのピンチ!

少子化と習い事の細分化。

 現在、少子化に伴いこどもの絶対数が急速に減少しています。そして、珠算塾の主なターゲットは小学生。この状況は、はっきりと珠算業界に直接的な打撃を与えている大問題です。

 さらにここ20年ほどで習い事の細分化が進み、主に首都圏や各地の栄えている地域を中心に生徒の取り合いが激化していることもあり、指導者の高齢化が進む珠算業界では近年苦戦が続いております。事実、全国的に見ても検定試験の受験者数は減少傾向にあり、学習者の減少は数値としても如実に現れています。

・都市部を中心とした教育意識の高まり。

 前項に加えて、近年では都市部を中心として、より早い時期(小学5・6年生程度)から学習塾へ通わせるご家庭が増加し、それに伴いそれまで通っていた習い事、それも算盤や習字といった、文科系の習い事を切り上げるというケースが多いように感じます。これによって、珠算学習者の学習寿命は依然と比較しても短くなっていることが見えてきます。

 今回はこちらの、生徒の学習寿命に関しての提案です。

 

2.辞める生徒が全員辞めたいわけではない!

 上記のような理由や、中学進学とともに退会していく生徒さんの中には、

「塾に通うから週に2回しか来れないし、自信がない」

「中学校では部活もあるし、両立できるかわからない」

 といった、まだそろばんに未練を残して退会される生徒さんが結構います。

 そういった生徒さんの多くは、文字通り続けていく事ができるかわからないというのがネックで、続けたいけど保護者を説得できる根拠がなかったり、もしダメだった時のことを不安に思っている場合が多いようでした。

 私としても、意欲のある生徒さんがそうやって離れてしまうのは非常に残念ですし、中には、やっとそろばんの楽しさに気付いたばかりで、これからが伸びる時期なのに!!という歯がゆい思いも何度もありました。

 そして、その中で私は思いました。

 

「この子たちの背中を押す何かが欲しい!!」

 

と。

 

3.これこそが珠算界に必要なものだ!!

 ・合格体験記を出版したい!!

 前置きが長くなりましたが、ここからが提案です。

 私が想定している内容を基に、前記の内容を拾う形で書かせて頂きます。

 

 さて、私が考える、今珠算業界に必要なツール、それはズバリ

   「合格体験記」

 です。

 とりあえずドンと書きましたが、詳細を以下に記します。

・高段位や競技に挑戦している生徒さんの声

 これは必要不可欠でしょう。そろばんを学ぶモチベーションは人それぞれですが、同年代の子が、自分よりも遥かに高いレベルを学習していることを知ることで、「自分でもできるかも!」という意欲に繋げることができるのではないでしょうか?

 この狙いは、競争心・向上心を促進することにあります。

 

・習い事を増やしたり、進学後も珠算学習を継続つつ目標を達成した方の声

 主にこちらが、この提案のメインかもしれません。

 前述したとおり、辞めたくないけれど自信がない。といった理由で学習を断念してしまう生徒や、そういったきっかけで退会を考えている保護者の方に対して、実際に両立を果たした先達の言葉ほど説得力のあるものはないのでしょうか?

 その教室の先生が、辞める生徒を引き留めるためにアドバイスや提案をすることは当然ですから、そういった言葉が来ることは想定内で、どれだけ説得してもそれで続けてくれる生徒さんはほんの一握りです。ですが、現実に今直面している問題を乗り越えた人の話を知ることで、ほんの少しでもその決断を揺らがせることはできるのではないかと考えます。

 こちらの狙いは悩んでいる生徒の「後押し」。

 

・過去に競技等で活躍しており、現在社会で活躍している人の声

 既に珠算学習からは身を引いているものの、様々な分野で活躍しているかつての名選手や、諦めずに根気強く十段を取得した経験を持つ方々は少なくないと思いますし、その中の数名でも、各地の先生からコンタクトを取れる方はいらっしゃると思います。そういった方々に、自身の珠算経験についての記事を依頼することはできないでしょうか?

 今社会で活躍している誰かが、過去には自分と同じように珠算を学んでいて、それが役に立っている、役に立った経験があるという生の意見に触れることで、珠算学習へのモチベーションが、より輪郭をはっきりさせる効果があるのではと考えます。

 

4.まとめ

 大まかに分ければ、こういった内容の冊子です。

 もちろん、作るとなれば様々な方に原稿を依頼する以上、依頼料がかかりますし、伝手もない、技術も足りません。個人でできることではないのは重々承知です。全珠連や日珠連といった、大きな組織の中で事業として計画を立てることができればよいのですが、残念ながら私はまだ若手であり、そういった実力はありません。

 ですが、初めに申し上げた通り、珠算業界において学習者の減少と、学習寿命の短縮は由々しき問題であり、一刻も早く有効な策をとる必要があると感じます。

 もし仮に、このブログが諸先生方の目に留まることがありましたら、是非こういった提案をしている者がいると、記憶の片隅でも置いて頂き、もしも実現の兆しが見えた時には、是非そのお力をお貸し頂ければ幸いに思います。

 正直、手柄が欲しいわけではないので、この提案に魅力を感じてくださり、実現できるお力をお持ちの先生はサクっと実現してくれるとこちらとしてもうれしいですが。