そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

知ってほしい。【強迫性障害】という病気のお話

皆さんは、「強迫性障害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

些細なこだわりや、強い不安感によって、日常生活に支障をきたしてしまう病気だそうです。

「強迫観念」と「脅迫行為」というのが、この病気の代表的な症状なのだそうですが、他人からはもちろん、自分でもその行為や思いに意味がないのはわかっていながらも、解消できないという、当人からすれば厄介でしかないものです。

私も、そこまで深刻ではないものの、ややそういったものに思い当たる節があり、少々調べてみたのですが、思っていた以上に当てはまる人は少なくないようです。

もしかしたら、私含め皆さんの身の回りや、塾経営者等であれば教室の生徒さんにも当てはまる人はいるかもしれません。

今回は、こちらについて私なりの見解をまとめていこうと思います。

 

【前提】「強迫性障害」とは?

さて、そもそもこの話をする上では、この病気に対する一定の知識がなければなりません。

前述したとおりこの病気は、取るに足らない事柄への強い執着や、あることへの強い不安感がもとで、日常生活や業務行為に支障をきたしてしまうというものです。

恐らく皆さんも、「振り込み期限はいつだったっけ?」「家の鍵はちゃんと閉めたっけ?」といった不安から、一度自宅に戻ったり、その場で確認したりという経験はあると思います。大抵の場合なら、一度の確認で安心し、その後の行動に支障をきたすことはありません。

しかし、この障害を持つ人は、この一度の確認で安心することができない、または一度安心したとして時間を置くとまた不安感に襲われ、その確認行為を繰り返してしまいます。

これはあくまで、「強迫行為」の一例であり、実際にはこの病気の症例にはたくさんのパターンがあるようです。

生活に支障があるというほどではないですが、以下に私が頻繁に陥るパターンを参考までに書いてみたいと思います。

・ある状況下において、左右の行動回数が平等でなければ落ち着かない

これは横断歩道などを渡る際などに現れるのですが、左右の歩数が同じ状態で渡り切ることができないと、その釣り合いのとれなさに落ち着かなくなってしまい、次に横断歩道を渡る際にはその回数のズレを補う事に執着してしまいます。

同じようなことは多々あり、腕や脚、指など、体の様々な部分でその「ズレ」のような感覚をが重なり、それぞれを解消できずにいると妙にイライラしてしまう事もあります。

・特定の行動に対して行う動き回数に、偏執的なこだわりを持ってしまう

1つの行動に対して、意識の上で行ったアクションの回数を整えることに、妙に執着してしまうことがあります。

ワンセットの行動に対して回数を意識している人などほとんどいないと思います。

ですが、例えば野菜を切るときは必ず決められた回数でカットしなければ落ち着きません。

納豆をかき混ぜるときは回数こそ明確でないものの、8の倍数回ぴったりにかき混ぜなければ、落ち着いて食べることができません。

・これらはかなり軽い症状

他にも様々な場面で、妙に行動回数にこだわってしまう瞬間があり、自分でもそのこだわりに意味はないという事を自覚しています。

自分で治そうとしてどうにかなるものではないですし、今のところ生活に対して問題が出ているわけではないので、私の場合はさほど障害というほどのものでもないのかなと思います。

ですが、調べてみるとわかるように、この症状が深刻化し、生活面や就業面で大きな影響があり、問題なく日常を送ることができずに苦しんでいることも事実です。

 

【思考&行動】あなたの周りにもいるかもしれない

前項で書いた通り、私はおそらく予備軍という程度で、深刻な症状には発展していません。

ですが、こういった症状に苦しんでいる人がいるのはわかっていただけたかと思います。

さて、では実際に、あなたの身近な人に目を向けてみてください。一緒に行動しているときに、いつも不安そうな人や、行動の際に不必要に思えるアクションを挟む人はいませんか?

決めつけるわけではありませんが、もしかしたらその人は、この症状に苦しんでいるのかもしれません。

具体的な内容は個人の話になってしまうので伏せますが、私の教室にも、若干名そういった節のある生徒がいます。

もし、そういった人にその不安や行動の理由を尋ね、それが些細な理由や取るに足らないこだわりだったとしても、「そんなこと」などとは言わないで上げてほしいのです。

前述の通り、その執拗な不安感や偏執的なこだわりが、実際には無意味なことであるということには自覚があります。自覚があるからこそ、それに捕らわれていることに苦しんでいるんです。

なにか解決策が欲しいわけでもないですし、もちろん馬鹿にされて悔しくないわけもない。

だから、身の回りにいる近しい誰かのそういった場面に遭遇したのであれば、「そういうもの」として、なにも特別なことをせず、ただ受け入れてもらえるだけで救われる人は、決して少なくないと考えています。

 

【周知】治療法はある

この病気の発症には、性格・生い立ち・ストレスなど様々な要因が関連していると考えられているようですが、現在明確な原因ははっきりしていないということです。

しかし、その症状に対する研究は日々進んでおり、しっかりとした治療を行う事で改善・完治を見込めるとの事です。

行動療法と投薬を並行して行うことが有効とされているとの事ですが、この病気の治療には、自発的に「治す」という意欲を高めることが不可欠だとの記述もありました。

「病は気から」という言葉もあるように、やはり自身が治療に対し前向きな姿勢で臨むことは重要だということですね。

 

【まとめ】

素人ながらこういった記事を書いてきましたが、中には間違った解釈が含まれているかもしれません。

ですが、私個人としてはこの病気への理解が高まることで、今現在苦しんでいる人が少しでも前向きになっていただければと思い、この記事を書かせていただきました。

前述しましたが、これに該当するのではないかと感じる生徒に対しても、その可能な限り特性に寄り添った対応を心掛けてみたところ、以前よりも活発かつ積極的にそろばんに打ち込んでくれるようになったように感じます。

この病気は自覚がない人も多いらしく、「癖の延長」程度の解釈をしている人も多いと目にしました。一人でも多くの人にこの病気の存在を知っていただき、治療法があるということを知っていただくことができればと思います。

もしこの記事を読んで、自分も当てはまるかもしれない、周りにもいるかもしれない、と思った方がいましたら、一度調べてみてはいかがでしょうか。