そろばんおじさんの毎日パチパチ

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東北地方で細々と珠算教室を営むおじさんの綴るあれこれブログです。

私の価値観に強い影響を与えた、とある【言葉】の話

世の中には様々な言葉というものが溢れており、その中には悪意や害意で発せられたものも多くあります。

そういった悪い感情から生まれた言葉のほうが人に対して与える印象や影響が大きく、善意の言葉が100あったとしても、1の悪意の言葉を見てしまえばそのせいで精神的にダメージを負ってしまうことが少なくないと思います。

ですが、そういったほんの一部の悪意や害意の言葉ばかりに耳を傾けてしまう事で、本当に自分を思いやって投げかけてくれた言葉に気が付けずにいることほどもったいないこともありません。

長い人生ですから、できるだけ多くの良い言葉に耳を傾けていきたいですね。

もちろん、都合のよい言葉、という意味ではなく、自分の為になる言葉、有益な言葉という意味ですが。

 

私自身、まだ30という若輩ですが、そんな中でもやはり、その後の私の価値観に大きな影響を与えてくれた言葉があります。

数年ほど前のこの時期、とあるご縁で三ヶ月ほどアルバイトのような形で大変お世話になった方がいらっしゃいました。

正直、アルバイトと言いながらほぼお役に立つことはできず、本当に迷惑をおかけするような状態だったのですが、最後まで様々なことを教えて頂き、いまだにその時の経験をありがたく感じることがあります。

そしてその最終日、作業がいつもより少し早く終わり、片付けをしているときにその方は私を呼び、小さな箱を差し出しました。

開けるよう促され、箱を開いてみると、そこには一本のガラスペンが入っており、その際に言われた言葉が、今の私の価値観に、大きな影響を与えたものでした。

 

「いずれ君にも、少し大きなお金を手にする時期が来るだろう。そうなった時、急に身に着けるものを立派にしても、君の中身が伴っていなければ下品になってしまう。逆も然り。そうならないよう、今からすこし良いものを持つという事に慣れておきなさい。そのペンはそのきっかけだ。」

 

一言一句同じというわけではありませんが、おおよそこういったことを言われました。

正直なところ、当時はあまりその言葉の意味をはっきりと理解することはできていなかったように思います。

ですがそれから数年間、さまざまな経験を経て、徐々にその言葉の意味を実感するとともに、この言葉をくださった方への感謝の念が絶えません。

 

恐らくですが、私がこの言葉によって最も影響を受けたのは、物を買うときの選び方ではないかと感じます。

以前の私は、文房具に関しては使えればよい、ネクタイは巻ければよい、といった具合で、あまり頓着することなく使うものを選んでいました。

ですが、人前で消耗品の安価なボールペンを使う事を良しとしていいのか、見るからにチープなネクタイを締めている指導者をみたら保護者の印象はどうだろうか、そういったことに目を向けてみると、最低限の見栄えは必要です。

逆に、身の丈に合わない高級品を身に着けて見せびらかすようでは、言葉の通り下品になってしまいます。

今の自分に、これはふさわしいだろうか、逆に安っぽくはならないだろうか、そういったことを考えた物の選び方をするという習慣を意識して身に着けることができたのは本当にこの時のこの言葉があったからだと感じます。

 

いずれ私も、誰かにそういった贈り物を贈る機会があるかもしれません。

そうなったとき、決して自己満足ではなく、相手の事をしっかりと考え、物だけで終わらない何かを贈れる人になりたいと思いますし、そのためにも日々何かを積み重ねて生活していかなければと感じます。

 

余談ですが、その影響からか私は何かの記念やお祝いごとの際に、ちょっとしたガラスペンのセットをプレゼントするようにしています。

あまり日常で使う機会はないものですが、比較的好評なので機会があれば利用してみてはいかがでしょうか。